2013年12月06日

米中会談の結果は…

バイデン副大統領と習近平さんが会談しました。
結果はどんな感じでしょう・・。


==前略== 副大統領のアジア歴訪は当初経済問題を協議することを念頭に設定されていた。しかし、先月23日に中国が尖閣諸島(中国名:魚釣島)を含む空域にADIZを設定したことによる地域の緊張関係を解消することが主要課題となった。

 バイデン、習氏ともに両国の公式の発表では識別圏について直接の言及をしていない。しかし事情に詳しい関係者によると、両氏は2回の会談と晩餐会の席でこの問題を話し合ったという。

 米政府担当者によると、両者の会談は計5時間半に及び、米中関係の全ての懸案事項について意見交換したという。防空識別圏については「副大統領は米側の立場を詳細に説明した。米国は今回のADIZを認めておらず、深い懸念を抱いていることを示唆した」とし、さらに中国に緊張緩和に向けた措置をとることを希望する旨伝えたという。

 さらにこの米政府担当者は、習主席がADIZと領有権紛争についての中国側の見解を同様な明確さで副大統領に伝えたという。同担当者は「習主席は最終的には副大統領の発言に理解を示した。今後は中国がどうするかだ」と説明した。

 ただ、外交筋やアナリストは米側が(日本政府の求める)ADIZの撤回を中国に要求せず、代わりにADIZ規制に従わない飛行機についてどのように対処するつもりかを明確にするよう求めているとみている。外交筋らは、現時点までは米中日の軍用機がADIZで危険範囲の接近飛行をした形跡はないようだとみている。==以下略==

[バイデン米副大統領、中国の防空識別圏認めず]
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304906204579238681641659594.html



これ、見出しは『米副大統領「防空圏認めない』になっていますけど、「深い懸念を示唆した」って微妙な言い回しですね・・。
日本の「極めて遺憾」・・・みたいな。


>バイデン、習氏ともに両国の公式の発表では識別圏について
>直接の言及をしていない。

>同担当者は「習主席は最終的には副大統領の発言に理解を示した。
>今後は中国がどうするかだ」と説明した。

>外交筋やアナリストは米側が(日本政府の求める)ADIZの撤回を
>中国に要求せず、代わりにADIZ規制に従わない飛行機について
>どのように対処するつもりかを明確にするよう求めているとみている。


公式発表では直接の言及は避けたうえで、
「米側が(日本政府の求める)ADIZの撤回を中国に要求せず」
ですか・・・(アナリストの推測ですが)。
あまり直接的にどうこうという話は無かったいうことでしょうか・・。


そして、バイデンさんの「深い懸念」に対して、中国側からのコメントも出ています。


 【北京=五十嵐文】中国外務省の洪磊副報道局長は5日の記者会見で、中国が設定した東シナ海の防空識別圏に関し、バイデン米副大統領が4日の習近平国家主席との会談で「深い懸念」を伝えたことについて、「国際法や国際慣例に合致しており、米国は尊重すべきだ」と反発した。

 バイデン氏が沖縄県・尖閣諸島を巡り、日本などと危機管理メカニズムを構築するよう求めたことに関しては、「技術的な問題について各国と意思疎通を図り、関係空域の安全と秩序を共同で守る用意がある」と積極的な姿勢を示した。

 オバマ米政権は、バイデン氏が習氏に直接、米側の懸念を伝えたことで、中国が防空識別圏の運用で自制した対応に転じるかどうかを注視している。米側は「あと数日から数週間でどうなるかだ」(米政府高官)として、中国の対応を見守る方針だ。

[防空圏「懸念」の米に中国「尊重すべき」と反発]
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131205-OYT1T01226.htm



とりあえず中国外務省は反発と・・。
今後、数週間で習近平さんがどう出るのか注目です。


ちなみに産経の報道によりますと、上記よりも、かなりネガティブな印象を受けます。。


 【ワシントン=青木伸行、北京=川越一】東シナ海上空に中国が設定した防空識別圏をめぐり、対応が注目されたバイデン米副大統領の中国訪問は、「新型大国関係」に引きずられ、中国の思惑にはまった感が強い。バイデン氏は防空圏を「認めない」と表明しながら撤回は求めず、不測の事態を回避するための緊張緩和措置に重点を置いた。防空圏を事実上、容認したに等しく、中国から何ら確約も取りつけられなかった。

 米ホワイトハウスの発表によると、バイデン氏は4日に習近平国家主席と会談した際、「防空圏を認めない」と伝え、深い懸念を表明した。また、緊張緩和措置をとり、日本とのホットライン設置を意味するとみられる「連絡経路」を確立するよう促した。

 緊張緩和措置として米側は、飛行計画の事前通告要求といった防空圏の運用の停止を求めたとみられる。

 これに対し、中国外務省報道官によると、中国側は「(防空圏設定は)国際法および国際慣例に符合する措置だ」と主張した。

 バイデン氏が緊張緩和措置に重きを置いたのには、「撤廃はもはや不可能だ」(政府筋)との判断がある。それ以上に、不測の事態が発生し軍事的に中国と事を構えることは何としても避けたい。米民間航空機の安全確保も重要だ。地域情勢の不安定化を懸念し、米国の国益を重視しての現実的な選択ではある。

 だが、米有識者の一人は「尖閣諸島(沖縄県石垣市)と周辺海域は中国領で、その上空も領空だというのが中国の本音。それを『各国が設定しており権利もある』と主張できる防空圏に形を変えただけだ。これをバイデン氏は実質的に認めたことになり、中国の土俵に乗った」との見方を示す。

 その根底には、中国が呼びかけた「新型大国関係」に、オバマ政権が傾斜していることがある。会談で習氏は何度も「新型大国関係」の重要性を口にし、バイデン氏も「21世紀の針路に影響する極めて重要な2国間関係だ」と応じた。

 中国の国際情報紙、環球時報は5日、「バイデン氏は日本のために訪中を壊せないと知っていた」と題する社説を掲載、「日米関係に中米関係の性質を決める力量はない」と主張した。

 中国の報道によると、バイデン氏は同日、北京で李克強首相と会談、米中両国の経済協力などを中心に意見交換し、訪中を終えた。

[米副大統領「防空圏認めない」も、習主席に撤回は求めず]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131205/amr13120521550010-n1.htm



>バイデン氏は防空圏を「認めない」と表明しながら撤回は求めず、
>不測の事態を回避するための緊張緩和措置に重点を置いた。
>防空圏を事実上、容認したに等しく、中国から何ら確約も
>取りつけられなかった。


>バイデン氏が緊張緩和措置に重きを置いたのには、
>「撤廃はもはや不可能だ」(政府筋)との判断がある。
>それ以上に、不測の事態が発生し軍事的に中国と事を構えることは
>何としても避けたい。


>米有識者の一人は「尖閣諸島(沖縄県石垣市)と周辺海域は中国領で、
>その上空も領空だというのが中国の本音。それを『各国が設定して
>おり権利もある』と主張できる防空圏に形を変えただけだ。
>これをバイデン氏は実質的に認めたことになり、中国の土俵に乗った」
>との見方を示す。


これが産経の記事ですか・・。

「アメリカは防空圏を事実上、容認したに等しい」

「防空識別圏の撤廃はもはや不可能だ、との判断がある」

「尖閣諸島は中国領で、その上空も領空だというのが中国の本音、
 これをバイデン氏は実質的に認め、中国の土俵に乗った」


中国メディアが「日米関係に中米関係の性質を決める力量はない」と主張しているそうですが、産経の記事の流れを読むとおかしい内容でもありませんね・・。


        *        *        *


ちなみにバイデンさん、武闘派という話を聞いていましたが、北京米大使館で、なんだか凄いこと言っちゃってますね(^^;


[北京 4日 ロイター] -中国訪問中のバイデン米副大統領は4日、北京にある米大使館を訪れ、米国ビザの申請を行っている中国市民に対し、指導者に挑む精神を持つよう呼びかけた。

副大統領は「自由な空気を吸い、政府や教師、宗教指導者に挑むことができる時のみ、革新は生まれる」と語った。

[中国市民、指導者に挑む精神持つべき=米副大統領]
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE9B300D20131204



革命なんて煽っちゃってます。。
これ意図的に記事にさせたのでしょうかねー。


もう一つ、『偶発的衝突の危険回避を=「中国の責任」強調』という報道も出ています。


 【北京時事】中国を訪問しているバイデン米副大統領は5日、北京で行われた米企業関係者の会合で演説し、中国による東シナ海への防空識別圏設定が「重大な懸念を引き起こした」と強調した上で、中国に対し偶発的な衝突の危険性を減らす措置を取り、緊張をさらに高めかねない行動を控えるべきだと訴えた。ロイター通信が伝えた。

 バイデン氏は4日の習近平国家主席との会談で「(防空圏に反対する)米国の確固たる立場と要望を率直に伝えた」と述べた。

 また、米国の東アジア地域における経済・軍事面での存在感を維持し、米政府が同地域で起きた事案への責任を果たすと主張。同時に「地域の安定に向けた中国の責任も大きくなっていく」との考えを示した。 

[偶発的衝突の危険回避を=「中国の責任」強調―米副大統領]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131205-00000095-jij-cn



>中国による東シナ海への防空識別圏設定が
>「重大な懸念を引き起こした」と強調した

>中国に対し偶発的な衝突の危険性を減らす措置を取り
>緊張をさらに高めかねない行動を控えるべきだと訴えた。

>「地域の安定に向けた中国の責任も大きくなっていく」との考えを示した。


中国に対し「偶発的な衝突の危険性を減らす措置」を取れと・・。
「危険性を減らす措置」を取れ・・・ですか、、、いろいろと解釈できますが。。


バイデンさんも会談後、いろいろと流布しているようですが、アメリカは中国とは、ことを荒立てたくはないようです。
中国も強くなりましたね、、。


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posted by K_美樹 at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国防空識別圏問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月04日

米国、日中仲介に方針転換か

うーーん、中国防空識別圏問題で日本とアメリカの足並みが揃いません・・・。


軍事評論家の北村淳さんが日本と中国の対立が本格化した場合、アメリカは手を引く可能性が高い(というより現実的に援護は無理)という主張されていましたが現状を見ていますと穿った見方ではないのかもしれませんね。。


 安倍晋三首相は1日、中国が東シナ海で設定した防空識別圏への米政府の対応に関し、視察先の岩手県釜石市で記者団に「民間航空会社にフライトプランを(中国側に)提出するよう要請したことはないと、外交ルートを通じて確認している」と述べた。

小野寺五典防衛相も同日のNHK番組で、同様に指摘した上で「米政府は日本と同じスタンスを取っている」と語った。

 米国務省は11月29日、「外国政府が出した航空情報と一致して飛行することを一般的に期待する」との談話を発表、民間航空会社による中国当局への飛行計画通知を容認した。

 首相らの発言は、米政府が明示的に要請はしていないことを指摘し、航空各社に飛行計画を提出しないよう求めた日本政府との間で、足並みに乱れがないことを強調する狙いがあるとみられる。

ただ、両政府の対応が割れているのは明らかで、安全運航を最優先する国内航空各社から不満が出る可能性もある。

 首相は記者団に「今週訪日するバイデン米副大統領としっかりと協議し、日米で緊密に連携を取りながら(中国に)対応したい」とも述べ、3日の会談で日米の結束を確認する意向を示した。 

[民間機対応「日米は一致」=安倍首相・小野寺防衛相が強調−中国防空圏]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131201-00000023-jij-pol



一応、表向きは「スタンスは一致」ということなのでしょうが、どう考えても認識に差があるのは事実です。
日本は「飛行計画通知を出すな!」と明言しているわけですから。。


>ただ、両政府の対応が割れているのは明らかで、
>安全運航を最優先する国内航空各社から不満が出る可能性もある。


一部、誤報の噂もありましたが、すでにアメリカの民間航空会社は飛行計画を提出しており中国外務省からは賞賛のコメントが発表されています。


 【北京時事】中国外務省の洪磊・副報道局長は2日の記者会見で、米民間航空会社などが中国の設定した防空識別圏通過に当たり飛行計画を提出したことについて「東シナ海空域における飛行の秩序と安全維持に向け、中国と協力していこうとする建設的な態度を示すものであり、称賛する」と歓迎する考えを示した。

 一方で飛行計画提出に難色を示す日本については「問題を政治化するたくらみがあり、民間航空分野での協力にプラスにならない」と強く批判。日本を一方的に非難することで、防空識別圏の対応をめぐる日米の連携にくさびを打ち込む狙いがあるとみられる。

 洪副局長は日本に対し「誤ったやり方、根拠のない非難を停止してもらいたい」と述べ、飛行の安全維持のため中国側と協力するよう重ねて訴えた。

[米の飛行計画提出「称賛」=日本は「問題を政治化」―中国]
http://megalodon.jp/2013-1204-1608-23/news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-131202X249.html



『東シナ海空域における飛行の秩序と安全維持に向け、中国と
 協力していこうとする建設的な態度を示すものであり、称賛する』


この様なコメントが出せてしまうのですから日米に温度差があるのは確実です。
珍しく日本が、はっきりとした態度を示したのですから、アメリカさんとしても本来はやり易いはずなのですが・・。


とは言いましても極論をいいますとアメリカとしては日中が対立するのはメリットがあるのですが・・。
――2位と3位が潰し合ってくれれば嬉しいのは1位ですね・・。
  アメリカとソ連の冷戦で日本は得をした、とも言われていますね。――


        *        *        *


『中国防空識別圏:米国、「一部容認」に方針転換か』
という報道も出ています。(ソース元がアレですが・・)


 米国のバイデン副大統領が3日、中国・日本間の「危機管理体制」の必要性に触れたことをめぐり、韓国政府内部から「米国は防空識別圏について、従来の『現状維持』を目指す政策から一歩後退したのではないか」という声が少しずつ漏れてきている。中国の一方的な防空識別圏発表に対しB52爆撃機を派遣するなど、強硬に対応してきた米国が、中国との衝突を避けるため現実的な状況管理戦略へと方向転換したわけだ。一部には、中国の奇襲的な勝負手が取りあえず通用したのではないか、という見方もある。

 韓国政府の関係者は3日、本紙の電話取材に対し「米国は、確固たる『現状維持』政策から後退し、中国の要求をある程度認めようという方向に進むようだ。中国が宣言した防空識別圏をそのまま認めるはずはないが、合理的な調整案を作りたいという意味」と語った。

 外交部(省に相当)のある当局者は「中国が防空識別圏を撤回する可能性は低いと判断した米国は、従来の防空区域にこだわるよりも、衝突の危険を最小限に抑える方向へと進むようだ」と語った。

 ソウル大学の全在晟(チョン・ジェソン)教授は「中国と長期間にわたって軍事的に対立する余力のない米国が、日本との同盟を損なわない範囲で一歩下がった。民間航空機の運航および軍事作戦時の相互通報や了解を求めるという形で中日が妥協するよう、仲介を行う可能性がある」と語った。

[中国防空識別圏:米国、「一部容認」に方針転換か]
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/04/2013120400755.html?ent_rank_news



以下の考え方は、北村淳さんの主張と同じ前提のもとに語られています・・。


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ソウル大学の全在晟(チョン・ジェソン)教授は

「中国と長期間にわたって軍事的に対立する余力のない米国が、
 日本との同盟を損なわない範囲で一歩下がった。
 民間航空機の運航および軍事作戦時の相互通報や了解を
 求めるという形で中日が妥協するよう、仲介を行う可能性がある」

と語った。
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北村さんは「日中が衝突した場合、アメリカの援護は期待できない」という主張をされていますが、もし日米同盟を前提にしたストーリーが成り立たないのであれば、日本は厳しくなります。。


<関連記事>

[日本は中国軍に完敗する]
http://3gensoku.seesaa.net/article/378262558.html

[日中の衝突、日本に勝算なし]
http://3gensoku.seesaa.net/article/381582226.html


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posted by K_美樹 at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国防空識別圏問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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