私はかねてより、保守が戦うべき敵は、「国内の反日勢力(スパイ含む)」、「国外の反日勢力(主に中韓)」、そして、これら以外に『第三の敵』がいると思っています。
これから、その『第三の敵』について書いていきたいと思います。
これは、私がよく書いている「慢心」や「油断」のことではありません。
前回、保守層内に出回っているマスコミの偏向報道を指摘する画像に、恣意的な解釈や嘘が混じっていると書きました。
この画像を作成した方が、意図的にやったのか無意識のうちにそうなってしまったのかまではわかりませんが、このようなものが作成され、繰り返し拡散、リツイートされ、数十万人が確認していても誰も問題点を指摘しないということは、ある徴候をしめしています。
Len Fisher(元南オーストラリア大学准教授、英ブリストル大学研究員)教授が記した「The Perfect Swarm」という本の中に以下のような記述が出てきます。
私達たちの努力を、何にもましていつも危うくしている人間特有の問題の一つがある。それがグループシンクである。グループシンクとは、集団内の社会的圧力によって、そのメンバーが「自己欺瞞、強制的な合意形成、集団の価値観や倫理観への順応などによって特徴づけられる思考のパターン」に押しやられる現象のことだ。 グループシンクに巻き込まれると、集団のメンバーは共通の立場に立つことに同意し、どんなときにもそれに執着するようになる。 その結果、頭が変になってしまう(MAD)ことだってある。 MADとは、Mutually Assured Delusion(相互確証幻想)の略で、メンバーが「集団の外にいる人からすれば疑いようのない証拠」を否定し、事実にはほとんど(あるいはまったく)基づかないことを信じ続け、「集合的な形をとった過信と意図的な盲信に陥った」状態のことである。=中略= バーナード・マドフが仕組んだ詐欺事件という例もある。 この巨額詐欺事件の被害総額は500億ドル(5〜6兆円)とも言われているが、それでも投資家たちは、マドフは自分勝手な理由ではなく投資家の利益のために不正をしたにちがいないと信じることで、自らを欺いた。 またサブプライム・ローン問題を招いた金融機関の活動もその例に数えられるだろう。 この場合は、住宅価格は際限なく上昇し続けるので、このローンがはらんでいる危険も最終的には解決される ――住宅ローンが返済できなくなっても、担保価値が上がっているので、さらに借金をすることができ、破綻することはない―― と、誰もが自分を納得させていた。 イェール大学の心理学者アーヴィング・ジャニス(カリフォルニア大学名誉教授)が、1972年にグループシンクという言葉を考え出したとき、その主な特徴は次のようなものだと述べた。 1、画一性への圧力――集団の考え方や決定事項に反すると、脅迫あるいは実際に制裁などが行われ、疎外感を抱くようになる。 2、集団内での閉じた思考――これによって、いかなる疑念も合理化(事実と異なる理由で隠蔽・正当化すること)できるようになる。 3、集団の過大評価――自分の属している集団は強くて、賢くて、他の集団に比べ道義的に勝っていて、さらに不滅とさえ考える。 |
Len Fisher教授によりますと、
『集団内において、メンバーが「“自己欺瞞”、“強制的合意”、“集団の倫理観への順応”などによって特徴づけられる特殊な思考パターン」に押しやられる現象がある』
とのことです。
これに巻き込まれると、集団内部者は、
『自ら共通の立場に立つことに同意し、どんな時も、そのスタンスに執着するようになり“頭がおかしくなる”』
とのことです。
言い換えますと、この現象に巻き込まれた人物は、
『“疑いようのない証拠”を否定し、事実にはほとんど(あるいはまったく)基づかないことを信じ続け、過信と盲信に陥った異常精神状態に追い込まれる』(相互確証幻想)
とのことです・・・。
この一連の概念は、Irving Janis(社会心理学者,カリフォルニア大学名誉教授)により提唱され、その後、急速に研究が進みました。
Len Fisher教授は、その症状について、わかりやすいように簡略化して三項にまとめていますが、実際にはもう少し複雑な概念です。
人間が『相互確証幻想』に取り憑かれますと、主に以下のような症状があらわれます。
(1):集団の考え方に反すると、脅迫あるいは実際に制裁が行われ、疎外感を抱くようになる。(異論への攻撃・制裁) (2):「疑いようのない証拠」を否定し、「事実にはほとんど基づかないこと」を信じ続け、いかなる疑念も正当化することができる。(情報のオミット・虚偽の盲信・自己正当化) (3):成員は「自分たちは優秀な人間であり、障害や妨害を容易に乗り越えらえる」と思い込み、自分の属している集団は「強くて」、「賢くて」、他の集団に比べ「大義があり」、さらに「無敵」とさえ考える。(優越意識・極度の楽観・無敵幻想) (4):集団内の圧力によって異論を唱えることが封じられる前に、自分からそのような意見を述べることを差し控える。結果、反対的な動向は表面にあらわれず、多くの成員は「皆が、この“やり方”に賛成している」と思い込み「表面上の意見」が一致する。(批判の自粛・表面上の支持拡大) (5):成員は「自分たちは大義・正義の実現のために身を挺して行動しているのであり、そのためには多少の犠牲や非倫理的行為も許される」と考える。(大義の強調・倫理観の麻痺) (6):外集団(敵対する集団)に対し不正確で否定的な認識を持つようになり、敵を、弱く、邪悪で、信頼を得られない愚かな存在だと見下すようになる。(敵に対する不正確な認識と見下すような思考) |
ネット保守に長く触れている方であれば、以下のようなキーワードに対し、いくつか思い当たる経験があったり、実際に遭遇したことがあるのではないでしょうか?
『異論への攻撃・制裁』
『情報のオミット・虚偽の盲信・自己正当化』
『優越意識・極度の楽観・無敵幻想』
『批判の自粛・表面上の支持拡大』
『大義の強調・倫理観の麻痺』
『敵に対する不正確な認識と見下すような思考』
ちなみに、私は日常生活において「かなりの保守派である」と、よく言われますし、当ブログの記事も保守的視点から書かれているはずですが、保守の過激化を諌め、保守に対してネガティブなニュースを発信する当ブログは、すでに在日スパイ認定をうけた過去があり、複数回の「制裁」・・・つまり(1)が行われました。
* * *
今回の記事で『相互確証幻想』について触れました、このような現象が起こるというだけで十分に問題であると思われますが、私はこれだけが問題であると言いたいわけではありません。
この現象には、さらに大きな問題が内包されています。
明日以降、それについて考えていきたいと思います。
もしよろしければ・・―→
日本までそうなりかけとは…。
どちらも厄介ですね。
自然発生的でない原因もあったりするのでしょうか。
次回以降も楽しみにしています。
読んでいて「韓国人」を思い起こしました。(1)〜(6)まで当てはまります。
日本に来て生活している韓国人留学生でさえ、韓国が歴史捏造している事に気付かないケースが多いんですよね。
呆れていたんですけど、今日の話で説明されてます。
前の記事と今回の記事を読ませていただいて思ったのは、「第三の敵」とは同じ考えの集団の中にいる「獅子身中の虫」のようなものなのではないかということです。
相手憎しで、根拠や確証の無いことで相手を叩いても、それは相手にダメージを与えるどころか付け入る隙を与えてしまうこともあると思います。
故意でないにしてもそういう行動をとる存在が、美樹さんのおっしゃる「第三の敵」なのでは?と思いました。
>>麦茶さん
いつもコメントありがとうございます(^^)
あちらさんも苦労しているようですね。
盛大な自爆行為のニュースは定期的に入ってきますね。
しかし日本の方は特に注意する必要がありまして・・・、
今後、触れることになるでしょう。。
コメントありがとうございます m(_ _)m
>相手憎しで、根拠や確証の無いことで相手を叩いても、
>それは相手にダメージを与えるどころか付け入る隙を
>与えてしまうこともあると思います。
そうですね。。
確実に反駁される主張は支持拡大ができないどころか、
保守層にダメージとして蓄積されてしまいます。
「なんだ・・・あいつら嘘を言っているのか」と・・。
それが、黙認され、事実として広まれば広まるほど、
反駁された時に降りかかってくるダメージは
大きいものとなってしまいます。
さらに、それでもなお、そのスタンスに執着し攻撃範囲を
拡大するような異常行動にでるようなことになれば
そのダメージは甚大なものになるでしょう・・。
「身から出た錆」にならないようにしたいですね。
この話は、もう少しつづきます。
私の文章力の問題もあり、わかりにくい部分もあるかもしれませんが、
温かい目で読んでいただけると幸いです(^^;
最近は新たなメディアが出てきていますので
そちらの方も心配ですね。
情報どうもありがとうございました。